2020年9月24日木曜日

Lesson 23. サイモス理論 ~秩序~

秩序

自己組織化


太陽光は水に秩序を与えます。

光をあてると水の分子(クラスター)は小さくなります。

そのことによって、飲めば口当たりがまろやかな水になります。

腐りにくい水になります。

植物は太陽の光に、そのボディの奥をさらけ出します。

花は生殖器をオープンにして太陽の光に向かい合います。

葉は、上部の葉のわずかな隙間をかいくぐって光を受けようとポジション取ります。

植物は、このとによって光合成をします。

朝焼けの前の空は、ブルーになります。

やがて日の出と共に赤になり、太陽が昇るとイエローになります。

この時間を植物は切ないまでに待ちこがれます。

光が来臨すると、一斉に二酸化炭素を吸収し、酸素を発します。

この活動によって朝の森は、絶妙の人間の吸収場となります。


人間の細胞も太陽光によって秩序を再生します。

光を受け、新鮮な酸素を吸うこれに勝る健康法はありません。

大宇宙が 150 億年のサイクルで呼吸するように、生命は呼吸をします。

息を吸うと膨張し、息を吐くと収縮します。

膨張は集約であり、収縮は拡散です。

矛盾です。

ふくらんで、何故、まとまるのか、ちぢまって、何故、ひろがるか。

精一杯膨張すると、空間は自己組織化していきます。

秩序を生んでいくのです。


これは市場マーケットに似ています。

精一杯ひろがったバブル現象はその時すでに集約に向かっているのです。

へんに統制すると集約力ははたらきません。

集約はやめて別のゾーンに近未来の適度な膨張と収縮を循環させる市場をつくりだすことです。

オルタナティブなマーケットです。

メインマーケットはそのオルタナティブマーケットに影響され、バランスを早く取り出します。


秩序の維持を目指しても逆に乱れます。

秩序は、もうひとつのプロトタイプによって生まれます。

足元の社会の秩序の乱れを正そうとすると、人々は反発します。

秩序の美学をプレゼンテーションするオルタナティブな、メッセージプロトタイプをつくることの方が正しいのです。


肥満の人は、自分の体を見ても気づきません。

美しいプロポーションの人を見てはじめてその客観に気づくのです。


南方熊楠公は、粘菌の自己組織化を発見しました。

地球の三大生命である、微生物、植物、動物の生命の営みを併せ持つ生命体が、和歌山県の田辺の山の奥に棲息していたのです。

粘菌とは彼の命名です。

微生物が植物に酸素を出し、植物は動物に酸素を出す、それを受けて動物は屍になって土を肥やし、微生物の営みを助けます。

この循環の中央には光、太陽光が不可欠です。

この3つの循環系生命体の条件を併せ持つ生命体がいたということに彼は驚喜しました。

生命の全的宇宙性を発見したのですから部分ではなく全体を包容することによって生命は自己組織化し、自己循環するという真理の発見です。


時代は、アメリカが世界の産業をリードする力を蓄えている時です。

20世紀という未営有の経済至上主義、分業優先システムを生み出す前兆の頃でした。

人間という偉大なる自己組織力を持つ生命体の可能性を高め検討しようとする彼等にとって、個性と能力と分析による社会構造は許せなかったのでしょう。

粘菌の自己組織化力を論文にし、彼はこの生命体を動物として定義し、それが微生物性と植物性を持っているというように解決することを求めました。

明治政府の返答は、植物にするというものでした。


この頃から、世界は分業型大量生産社会に入ります。

個人は歯車の一部ならまだしも、使い捨ての労働になっていくのです。

チャップリンはこのことを映画モダンタイムスでアピールし南方熊楠は粘菌を通して訴えたのです。


この粘菌は英国の学説名を持ち、英国の博物館に今も、展示されています。

明治の初期に大英博物館のキュレーターとして働いた希なる存在であった熊楠ならではの結末です。


左右脳の分断がボケ現象を生むように人間という小宇宙を分断して観てはいけません。

すべてが結び付き、循環系を成しているという摂理を深く知るのです。

人間の能力も部分的評価で押さえつけてはいけません。

一人の人間の中にあらゆる能力と機能を発掘しようとすることに情熱を惜しまないことです。

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