2020年7月30日木曜日

Lesson 18. サイモス理論 ~生命・細胞~ 後編

生命 細胞(後編)


宇宙はビッグバンから150億年で急死します。
フリードリッヒ・ボルツマンはありとあらゆるエントロピーの系は熱死の方向を辿るだろうと考えました。
地球が誕生して45億年ですから、あと105億年で地球も、太陽も、月も熱死するのです。


地球上でいうとこれは酸化を現します。
地球の生命系では、酸化還元が循環しています。
地上に存在するもののすべては、誕生した時点から酸化を始めるというのも「熱力学の法則」の範中の考え方です。
地球は、宇宙の中心の熱源から遠く離れすぎていたことによって平衡状態に達しない合間に、熱力学的な Cymos をおこして生命系をつくりだしました。
生命は、無秩序カオスから、秩序を生んでいるといわれる由縁です。


ギリシャの学者ヘシオドスは、これを「最初はアピス(混沌)しかなくそれからガイア(大地)とエロスが生じた。次にガイアは、星の輝くエロスを生んだ」とかいています。
無秩序から秩序をつくりだすこと、これが生命活動の特質です。
生命の維持に必要なのは開放系であること、高度な非平行性を持つこと、更に、自己触媒性を持つこと、の3つです。


自己触媒性とはゆらぎの内部強化のことです。
閉鎖的で、バランスをとることばかりに頭をめぐらせ、他の人にやらせてコントロールだけしようとしたシステムはすべて滅んでいきます。
この宇宙では、ゆらいでいないものはありません。
ゆらぎとは混沌の状態の中の秩序です。
リズムだともいえます。
一見、混沌として掴みどころがないように見えていても注意深く見つめていると、そこに一定のリズムを発見することがあります。
すると、私達の心は落ちつきを取り戻します。


旅客機にはじめて乗った人は、初めて体験する揺れに身体をすくめてしまいます。
細胞や神経が緊張してしまうのです。
今まで体験したことのない状況に置かれると、私達はまず心身を混乱から防ごうとして身構えます。
 初めは、突然襲う揺れにただ恐怖と戦うはずです。 
少し機体が降下しても「大丈夫なのか」と考えてし まいます。
何回も揺れに出会っているうちに一定のリズムがあることに気づきだします。
秩序を見いだすのです。
決してでたらめな揺れではない。
秩序があり波を描いているということを探り出す力がはたらくのです。
これが、Cymos を見いだそうとする人間の探索カという神経回路の力です。


私達は、生命にはゆらぎがあり、それが一見気まぐれで発作的な予測不可能なゆらぎだと感じている間は、恐れおののくしかありません。
そのゆらぎが、自分達とは遠い存在だと思わざるを得ないのです。
しかし、そこ に一定のリズムや秩序を見いだすことのできるCvmos 発想が自分達の体内の細胞の中に存在するのだということを悟った時、心身ははじめて開放されるのです。
四六時中、神経を張りつめていることはないのです。
リラックスして自分達の全身を構成している 60 兆個の細胞の能力を心から信じることができた時、私達は、混沌から光のような明快な答えを見いだすことができるのです。

2020年7月23日木曜日

Lesson 17. サイモス理論 ~生命・細胞~ 前編

生命 細胞(前編)

体重60kgの人体は、約 60 兆個の細胞からできています。
1kg当たり1兆個の割合です。
生まれたばかりの赤ちゃんでも、3kgの場合3兆個の細胞をもっているのです。
髪の毛、爪、皮膚、眼球、どれも細胞の集合体でできています。
細胞は、その中心に核を持っています。

核は核膜でおおわれています。
の核の中に、遺伝子があります。
遺伝子の構造と原理は、すべての生物に共通しています。
地球上に棲息している、200万種以上の生物も同じ遺伝子構造を持っているのです。
微生物も植物も動物も、すべて同一の遺伝子構造で成り立っているのです。
すべての生命体が、同じ起源をもっていることの証しです。

グレゴリー・メンデルが「遺伝の法則」を打ち立て親の遺伝情報が子に伝わるということを立証しました。
それから突然変異があるということも併せて追認しました。
これに続いてワトソンとクリックが DNAの働きを解明して事情をはっきりさせました。

当時は、細胞の複製は、いっさい DNA が管理していると考えられていました。
遺伝子には核酸という物質があります。
ここでいう核酸というのは、デオキシリボ核酸、DNA とリボ核酸、RNAの二つのことです。

従来の考え方では、DNA は螺旋状の二本のテープになっていて、そのテープの上に4つの化学文字で表される情報が書かれていて、この情報が遺伝情報だといわれていました。
そこには、生命に関するすべての情報が入っていると考えられていたのです。
人間の細胞一個の核に含まれる遺伝子の基本情報量は30億の化学の文字で書かれており、私達はこの DNAに書き込まれた膨大な情報によって生きていると考えられていたのです。

その説がどう変わってきたかというと、まず核酸に、自己触媒機能がということが判ってきたことに代表されます。
これまでの主人公だった DNA に変わって、RNA こそプロデューサーの役割を果たしているのではないかとういう考え方が台頭してきているのです。
生命の進化史の中では、DNA より先に RNA ができていたのではないかということになってきたのです。
RNA は生命情報のエディターであり、ナビゲーターなのかもしれないのです。
脳に例えると、DNA は左脳です。
細胞を複写するための情報の貯蔵庫です。
RNA は右脳です。
生命の未来のメッセージを描く、創造工房の機能を果たしているのです。

まず、右脳がイメージを描き、左脳はそれの正しさを記憶をひもといて検証します。
そこで、左右脳は原子核内の陽子と中性子のように互いの役割りを交換しながらリズミカルに回転します。
そのリズムのカオスの中から、ジャッジするのが間脳です。

そうです、あの中間子なのです。

DNA とRNA を結ぶのは、私達が神と呼ぶ存在なのかもしれません。
RNA が生命の設計図を描き、それを形にしていくのが DNAであり、その二つを絶妙の関係で結ぶのが「神」の役割なのでしょう。

2020年7月16日木曜日

Lesson 16. サイモス理論 ~魂・空~ 後編

魂 空(後編)


料理でいうと隠し味に入れる塩や調味料のことでもあります。
触媒は物質を限定しません。
すべての物質は触媒的な使われ方によってはじめて触媒となります。

人間は重要な触媒に成り得るのです。

ルネッサンスという人間の創造性の素晴らしさを再生したイタリアの文芸復興運動を形にしたのはユマニストと呼ばれた人です。
これらの人々が触媒となってヨーロッパ各地を回り情報を伝え、ネットワークをつくり、ルネッサンスは完成したのです。

あらゆる偉大な事業の背後には、偉大な触媒的働きをした人が存在します。
触媒なくして事は起こせないのです。
この触媒的人物が、「空」の心を持っているかいないかで正否は決まるのです。

インドは空の心を導き、中国は無の心の在り方をもたらしました。 
空とは世の中の動きを天から視る考え方です。
無は地から視る考え方です。
無は、すべては土に帰るという思想をベースにしています。
この世の中でおこ ったことは、この世で解決するという意味を持っています。
土の中ではすべてが根で結びついていて、それらが地上のすべてをつくりあげているという考え方です。


空は宇宙思想でもあります。
私達の生体の営みに必要な物質のほとんどは宇宙からやってきます。
更に、1分間に3本位、宇宙線ニュートリノが私達の周辺を通りぬけています。
空とは宇宙のすべての現象を「光」とする思想なのです。

それに対して無は地球上の生命の営みの基盤を水においています。
水のない大地には生命は芽生えません。
水という物質は、固体、液体、気体、と光と熱によってその姿を変え循環しながら地球空間のすべてを構造化しています。
無は水です。
水はそこにあると思った時から無くなっていきます。
形を変えていくのです。
一瞬に蒸発したり、固まって水になったりするのが、水が無であるということの証しです。
無の思想では、光そのものを空気中の水分として捕らえるのです。
インドは宇宙からの光、中国では水としての光を基盤にし哲学を体系化していったのです。


魂には3つの要素があるといったのはプラトンです。
理性・欲望・気概の3つです。
西洋の人々は魂は心臓にあると考えていました。
魂を明確な部分として捕らえたのです。

東洋の人々は魂は 60 兆の細胞の中に1つずつあると考えました。
魂とは細胞の中の粒子と波動だと考えたのです。
まさに光だと考えたのです。
それは空を意味します。
色即是空の空です。
色即是空は光のことを現しています。
色は即、空である、というのは光のことです。
色は光によって色になります。
光のないところには色もないのです。 
色のあるところというのは常に光りがあり、そこは空そのものなのです。
眼には見えない空としての宇宙からの光である、宇宙線ニュートリノがそこに赤、青、黄の3色を導くのです。

物質の極小の世界にも色があるのです。
色即是空、 空即是色、それは光の循環を現しています。
宇宙からの光と、人体からの光の交信を現しているのです。

この交信によって魂は再生します。
光の循環と交信のない状態では、魂は死んでいます。
魂は空の世界、すなわち Cymos そのものです。
魂は、常に光の世界で再生します。

れを魂の再生~ ReSOUL ~といいます。

2020年7月9日木曜日

Lesson 15. サイモス理論 ~魂・空~ 前編

魂 空(前編)

論理がバシニングポイントに向かって消失していくこと自体が「空」であると言ったのは、大乗仏教が波及していった頃の南インドのバラモン階級出身の天才、ナーガルジュナです。
彼は呪術に長け、忍者のように自分の姿を消してしまう隠遁の術ができたといいます。
小乗仏教に入り、理論をつかんでいきますが、存在自体にはなれないということを知り、大乗仏教に転向していきます。
そして大乗の「空」についての思考を深めていくのです。


彼はこのような論理を導いたのです。
「私であることはない、私でないこともない、その両者であることもその両者でないこともない」
というように言明することによってきれいさっぱりすべての言語的対象が、最後の消滅点にむかってなくなっていく、そんな超越的な論理をつくったのです。


自分の存在を消滅させたところに、本当の自分があるというような考え方なのでしょう。
これを日本では「うつ」といいます。
「うつ 」は空と書きます。
うつつ、うつわ、うつけものな どの言葉は、「空」からうまれています。
夢うつつと は何も考えていない「空」の状態をいいます。
欲のない状態です。
うつわは「空輪」と書きます。
空の輪、すなわち円のことです。
リングのことです。
べてをつつみ、自分の描いた輪の中で考えられる人をうつわの大きい人といいます。


平面に描いた円の中心に「ちょん」と印すことによって、円は二次元の形から四次元の形状に変化してしまいます。
円の中央にポイントができるだけで宙に浮いた円となるからです。
これが禅でいうマルチョンの絵画です。
うつけもの、空気者というのは何を考えているか判らない人間のことです。
智将と呼ばれた人々は、ある時期うつけものを演じてきました。
打ち入り前の大石蔵乃介、天下を取ることを夢見ていた頃の織田信長がそうです。


「空」は原子核の中の中間子の動きによっても現すことができます。


水という物質があります。
水はH2Oという分子でできています。
Hが2つがひとつの組み合わせでできているのです。
H、水素は原子が集合してできています。


原子の中には原子核があります。
その原子核の囲りには電子が勢いよく回っています。
原子核の中には陽子と中性子が、互いの存在を交換しながら循環しているのです。
陽子と中性子が夫婦のように仲良く互いの役割を交換しながらリズミカルに動いている時は、物質は活性化しています。


その際、大変重要な役割りを果たしているのが中間子です。
陽子と中性子の中央から仲人のように両者の関係を調整するのが中間子なのです。


間子の動きが良くなると陽子と中性子はリズミカルに動きつづけます。
このリズミカルな動きにつられるように原子核の囲りを回っている電子の軌道が極小になるのです。
最も近回りをするのです。


すると原子核からはバイオフォトンという光のエネルギーが発せられるようになります。
これが細胞に輝きを与えていくのです。


人体の場合はオーラとなって発散します。
「空」としての中間子の働きが、すべての鍵になって生命はカをつけるのです。


このように空の心でいるということは、自分を触媒として見つめる心です。
触媒というのはそれ自体は表面化しませんが、それを加えることで物質の状態を一変させる存在のことです。
豆腐に入れるニガリも触媒です。

名刀をつくる時にかける水も触媒の役割をします。