2020年7月9日木曜日

Lesson 15. サイモス理論 ~魂・空~ 前編

魂 空(前編)

論理がバシニングポイントに向かって消失していくこと自体が「空」であると言ったのは、大乗仏教が波及していった頃の南インドのバラモン階級出身の天才、ナーガルジュナです。
彼は呪術に長け、忍者のように自分の姿を消してしまう隠遁の術ができたといいます。
小乗仏教に入り、理論をつかんでいきますが、存在自体にはなれないということを知り、大乗仏教に転向していきます。
そして大乗の「空」についての思考を深めていくのです。


彼はこのような論理を導いたのです。
「私であることはない、私でないこともない、その両者であることもその両者でないこともない」
というように言明することによってきれいさっぱりすべての言語的対象が、最後の消滅点にむかってなくなっていく、そんな超越的な論理をつくったのです。


自分の存在を消滅させたところに、本当の自分があるというような考え方なのでしょう。
これを日本では「うつ」といいます。
「うつ 」は空と書きます。
うつつ、うつわ、うつけものな どの言葉は、「空」からうまれています。
夢うつつと は何も考えていない「空」の状態をいいます。
欲のない状態です。
うつわは「空輪」と書きます。
空の輪、すなわち円のことです。
リングのことです。
べてをつつみ、自分の描いた輪の中で考えられる人をうつわの大きい人といいます。


平面に描いた円の中心に「ちょん」と印すことによって、円は二次元の形から四次元の形状に変化してしまいます。
円の中央にポイントができるだけで宙に浮いた円となるからです。
これが禅でいうマルチョンの絵画です。
うつけもの、空気者というのは何を考えているか判らない人間のことです。
智将と呼ばれた人々は、ある時期うつけものを演じてきました。
打ち入り前の大石蔵乃介、天下を取ることを夢見ていた頃の織田信長がそうです。


「空」は原子核の中の中間子の動きによっても現すことができます。


水という物質があります。
水はH2Oという分子でできています。
Hが2つがひとつの組み合わせでできているのです。
H、水素は原子が集合してできています。


原子の中には原子核があります。
その原子核の囲りには電子が勢いよく回っています。
原子核の中には陽子と中性子が、互いの存在を交換しながら循環しているのです。
陽子と中性子が夫婦のように仲良く互いの役割を交換しながらリズミカルに動いている時は、物質は活性化しています。


その際、大変重要な役割りを果たしているのが中間子です。
陽子と中性子の中央から仲人のように両者の関係を調整するのが中間子なのです。


間子の動きが良くなると陽子と中性子はリズミカルに動きつづけます。
このリズミカルな動きにつられるように原子核の囲りを回っている電子の軌道が極小になるのです。
最も近回りをするのです。


すると原子核からはバイオフォトンという光のエネルギーが発せられるようになります。
これが細胞に輝きを与えていくのです。


人体の場合はオーラとなって発散します。
「空」としての中間子の働きが、すべての鍵になって生命はカをつけるのです。


このように空の心でいるということは、自分を触媒として見つめる心です。
触媒というのはそれ自体は表面化しませんが、それを加えることで物質の状態を一変させる存在のことです。
豆腐に入れるニガリも触媒です。

名刀をつくる時にかける水も触媒の役割をします。

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